乱読のすすめ(9)「昭南島に蘭ありや(上)(下)」<佐々木譲著・中公文庫>

 こんにちは! 長澤です。
 昭南島っていうことですが、どこのことかご存知ですか?
 昭南島とは太平洋戦争当時に、日本占領下だったシンガポールのことです。本書は開戦直前から終戦まで、中華の民か大日本帝国の臣民かどちらでもありどちらにもなれない台湾人、光前の翻弄される運命を描いた作品です。
 佐々木譲氏にはこのように太平洋戦争当時を舞台とした著作が多く「エトロフ発緊急電」「ベルリン飛行指令」「ストックホルムの密使」といった作品を読むと、自分自身が歴史の中に放り込まれた感じがします。
 さほど大きくはない島ですが、マラッカ海峡という海上交通の要所を抱えているシンガポールの歴史を実感しました。