乱読のすすめ(8)「蟹工船・党生活者」<小林多喜二著・新潮文庫>

こんにちは! 長澤です。
 ここのところ、砕けきって木端微塵的なブログでもありましたので、少し文学的に戻ろうかなあと思います。
 本書は日本プロレタリア文学を代表する名作であり、お読みになった方も多いでしょう。私も学生のときに読みましたが、最近また若い人を中心に読者が増えているそうです。最近の不安定な社会情勢のなか、社会的格差が問題になるとこのような本が流行るとテレビでもいっておりました。
 「おい、地獄さ行くんだで!」という書き出しから始まる「蟹工船」は、昭和の初めに海軍の保護のもと、オホーツク海で操業する蟹工船の過酷な労働条件に対して立ち上がる労働者を描いたものです。当時と今との労働環境は異なりますが、雇用の不安定や労働条件の多様化などどこかしら共通項が感じられる作品でした。
 また、もう一編の「党生活者」は、近代的軍需工場の計画的な争議を、地下生活者としての体験から描いた名作です。
 いずれにしてもわずか70年ほど前の日本の実情をリアルに感じさせられました。